会長挨拶
日本肩関節理学療法研究会 会長 尾崎 尚代
私儀、令和6年6月より日本肩関節理学療法研究会 第4代会長を拝命いたしました。
当研究会は2006年5月28日に東京にて第1回の研究会が開催され、初代立花孝会長のもと13年間で12回の、2代目高濱会長のもとでは1回の研究会(2年間はコロナ禍のため延期)、前西川会長のもとでは2回の研究会を開催し、毎回多くの参加者に支えられながら日々の臨床に役立つ知識や技術の提供を目的として開催している研究会です。
HPに掲げていますが、初代立花会長がよく言われていた「盲信するのではなく事実を追及していく」ために「思考の拠り所となるもの」への研鑽が大切との信念に基づき、『私たちは肩に関する事実を理学療法士の立場で追及しています』をモットーに研究会発足当初から企画、運営をしております。
この研究会では、毎回トピックスとなるテーマを取り上げ、肩関節の解剖・運動学などの基礎的な分野、肩の疾患の病態や整形外科的治療法、理学療法の臨床的な分野、症例報告で構成しています。これからも、経験年数を問わず「思考の拠り所となるもの」を研鑽する機会を提供し、"肩"に精通した理学療法士の質の向上に貢献していけるよう邁進し続けたいと思います。
肩関節学会にコメディカル部門が併設された20年前まで遡ってみると、動作解析によってさまざまなことがわかってきました。また最近では、理学療法中の超音波エコー所見により病態を確認することが容易になってきました。しかしこれらの装置はすべての施設にあるとは限りません。また、リハビリテーションプログラムも数多く報告され、何気なく引用していては患者の症状や動作が変わらずに行き詰っていることはないでしょうか?
新型コロナウイルスの感染者が2020年1月に国内で初めて確認されてからのコロナ禍によって、対面で行われていた学会や研修会、講習会はオンラインやE-ラーニングに置き換わってしまい、一方方向の情報提供に終始している感が否めません。当研究会ではその道の専門家を招聘して対面で講義していただきますので、専門家と参加者で双方向の情報交換をして「思考の拠り所となるもの」を見つけ、悩みを解決して明日の臨床に生かせるような研究会を目指したいと思います。
今後とも肩関節の理学療法の発展のために、皆様方のご指導を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
日本肩関節理学療法研究会 会長 尾崎 尚代