日本肩関節理学療法研究会

第12回日本肩関節理学療法研究会開催報告

第12回日本肩関節理学療法研究会は、今回はメインテーマを「理学療法士が知っておくべき肩の基礎」として、150名の参加者が全国各地より集まりました。

今回のプログラムは教育講演では甲斐義浩先生(京都橘大学,PT)、那須久代先生(東京医科歯科大学,PT)、特別講演では黒田重史先生(松戸整形外科病院,Dr)、玉井和哉先生(東都文京病院,Dr)、松本正知先生(桑名市総合医療センター,PT)による教育講演、そして症例から学ぶ会とまさに盛りだくさんの内容となりました。

講師の皆様ならびに参加していただきました方々に感謝いたします。

2018年8月18日(土)1日目

レクチャー1 肩周囲の触察

当会の恒例となってきました立花孝(信原病院)、高濱照(九州中央リハビリテーション学院)、西川仁史先生(甲南女子大学)による『肩関節周囲の触察講習』が開催されました。今回は40名の理学療法士、作業療法士の先生方が参加されました。

教育講演1

京都橘大学の甲斐義浩先生から『肩の運動学』をご講演頂きました。肩関節の運動学を理解する上で、特に基本的な肩甲上腕関節について下垂位から挙上への運動の理解やインピンジメントについてご講演頂きました。

教育講演2

東京医科歯科大学の那須久代先生から『肩の機能解剖』をご講演頂きました。普段なかなか見ることができない胸鎖靭帯、鎖骨胸筋筋膜や前鋸筋・菱形筋・肩甲挙筋の形態学的類似性など日々の臨床につながる解剖の知見についてご講演頂きました。

2018年8月19日(日)2日目

特別講演1

松戸整形外科病院の黒田重史先生から『知っておくべき画像所見』をご講演頂きました。
レントゲンの診方を正常例から各肩疾患のレントゲンやMRIを提示して頂き、肩疾患の治療の経過、また腱板断裂や不安定性肩についてセラピストにもとてもわかりやすく、ご丁寧に説明いただきました。

特別講演2

東都文京病院の玉井和哉先生から『知っておくべき肩周囲の骨折の診断と治療』と称してご講演頂きました。肩周辺の鎖骨骨折、肩甲骨骨折、上腕骨近位端骨折などの診断から治療方針(保存療法、手術適応、手術療法と後療法)について解説して頂きました。

特別講演3

桑名市総合医療センターの松本正知先生から『知っておくべき肩関節骨折後の理学療法』と称してご講演頂きました。変性疾患のTHA,TKAの術後理学療法とは異なり、背景や術式など考慮して個々に応じて理学療法をすすめ、骨癒合を妨げることなく、修復過程を考慮して可動域制限を予防する大切さについてご教示して頂きました。

症例から学ぶ会

大野智貴先生(目白整形外科内科)、杉山敬亮先生(松戸整形外科病院)のお二人の先生方より症例を提示して頂き、活発な質疑応答もあり、大変盛り上がりました。来年も聞きたいこと、討議したいことなど沢山あるかと思いますので、多くの皆さまの発表をお待ちしています。臨床での悩みを解決しましょう。

今回の開催の運営にご協力頂いた松戸整形外科病院、船橋整形外科病院の先生方には大変感謝申し上げます。来年も東京での開催を予定しております。みなさま、ぜひご参加のほどよろしくお願い致します。

ご協力頂きました皆様、ありがとうございました。来年も多くの方々のご参加をお待ちしております。

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リハビリテーション部:鈴木 智、小川 靖之