日本肩関節理学療法研究会

第8回 日本肩関節理学療法研究会開催報告

2013年7月27日(土)1日目

第8回は「炎症と拘縮の関係を知り、理学療法の介入を再考する」と題し、本年も帝京平成大学幕張キャンパス(千葉県千葉市)にて開催され、全国各地から250名近い先生方に参加頂きました。
前回に引き続き触診講習会の開催、肩関節解剖(基礎)、肩関節の運動学(基礎)など、経験の浅い方々からのリクエストにそくしたプログラムを取り入れました。
来年以降も本研究会の発展のため、新たなチャレンジができればと考えております。皆様からのご意見・ご要望などありましたら研究会事務局まで宜しくお願い致します。

触診(palpation)講習

当会恒例の立花孝先生(信原病院)、高濱照先生(九州中央リハビリテーション学院)、西川仁史先生(甲南女子大学)による肩の触診(palpation)講習が開催されました。41名の理学療法士、作業療法士の先生方が参加されました。肩関節における肩甲骨、上腕骨のランドマーク、筋の起始、停止など解剖の基礎の重要性を改めて感じました。

レクチャー1

第1回研究会から恒例となっている、高濱 照先生(九州中央リハビリテーション学院)による『肩関節解剖(基礎)と題した講演が行われました。毎年、基本に戻り解剖学を学ぶよい機会となっています。

レクチャー2

『肩関節の運動学』と題し塩島 直路先生(たちばな台病院)お話頂きました。肩の運動学について基礎から最新の知見までお話頂き、肩の状態をより具体的にイメージすることが出来ました。

症例検討会

第7回より始まりました肩を語る会、今回は「私の腱板筋群に対するアプローチ」をテーマに鈴木 智先生(船橋整形外科病院)より腱板術後症例に対して、遊佐 隆先生(松戸整形外科病院より肩関節不安定症に対してお話頂きました。両先生の臨床経験に基づいた理学療法アプローチや考え方を学ぶことができました。

懇親会

その後、会場をホテルニューオータニ幕張に移し、約120名の方にご参加いただき恒例の懇親会が開催されました。豪華な料理とお酒を交えながら、他施設の先生方との交流を深めることが出来ました。また役員の先生方に登壇いただき研究会会場では聞くことの出来ないスピーチを頂くことが出来ました。

2013年7月28日(日)2日目

招待講演1

研究会2日目は千葉大学附属病院整形外科助教の落合 信靖先生による『肩の痛みと炎症』と題した招待講演が行われました。疼痛の定義や分類から始まり、肩の痛みや炎症が組織学、病理学的なエビデンスを中心にお話をして頂きました。また、五十肩や腱板断裂における疼痛のメカニズムなども分かりやすく教えて頂きました。

招待講演2

新井 隆三先生(京都大学医学部整形外科)による『肩の痛みと、その考え方』では、肩関節疾患との鑑別の重要性・急性期と慢性期の区別・肩の機能異常と構造異常の三つの観点からお話を頂きました。鏡視下画像の説明なども含め、臨床的な観点から丁寧に教えていただきました。

招待講演3

長崎大学病院の坂本 淳哉先生による「関節可動域制限の病態~不動、炎症(痛み)が及ぼす影響~」と題した講演では講演関節可動域制限の実態や様々な原因を分かりやすく説明して頂きました。
また不動による拘縮の病態とその発生メカニズムについて、また皮膚、関節包、骨格筋それぞれにおける基礎研究の成果を概説して頂きました。
不動が痛みを引き起こす原因となることを研究を基にお話し頂きましたが、術後初期や炎症期(痛みが強い時期)にも、動かす(不動にしない)ことの重要性をセラピストが認識できた良い機会になったのではないでしょうか。

講演1

会長である立花 孝先生(信原病院)をコーディネーターとし「炎症・拘縮に対する理学療法アプローチを考える」が行われました。
参加者から多くの意見を集約し理学療法アプローチとして共通のコンセンサスの作成に挑戦しました。
答えを出す難しさはありますが、挑戦していきましょう。 皆さんの意見を基にまとめた表をホームページ上に載せる予定です。

症例検討会

当会恒例となりました症例検討会、今回は3名の先生の発表症例して頂きました。難渋されている症例を参加者で共有し考える良き時間となりました。

鈴木 則幸先生(松戸整形外科病院)

佐瀬 裕之先生(須藤整形外科クリニック)

最後に、恒例の運営スタッフ集合写真です。皆さん今年もありがとうございました。

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TSOC 東京スポーツ&整形外科クリニック
リハビリテーション部:鈴木 智、小川 靖之